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いのちの学校

2020年12月25日

こんにちは。家のコトは生きるコト※ クレアホームの滝島です。

「家を建てる」とき、「暮らしをつくる」を意識してみる。

暮らし・家事の目線で様々なものを見てみると、家づくりでも違うものが見えてきます。

「家事(かじ)」を「いえのこと」と読むことで家事の概念を変えてみませんか。

 

今日はクリスマス。キリストの誕生を祝うお祭り!ということで、

大胆にも(笑)『いのち』について考えてみたいと思います。

 

9月ごろに偶然NHKスペシャルで『いのちの学校』を観ました。

インドネシアのジャングルで、森林破壊や密猟などで、親を亡くした孤児のオランウータンを保護し、

野生に復帰させるまで育てる学校のお話しです

https://www.nhk.or.jp/special/plus/videos/20200904/index.html

オランウータンとは、現地の言葉で「森の人」という意味だそうです。

そういわれてみれば、表情豊かでしぐさなど、かなり人間に近く、

特に子供のオランウータンの純粋なまなざしや表情は、

人間の子供とほとんど変わらないほど豊かで、心奪われてしまいます。

オランウータンが絶滅の危機に瀕しているのは、そもそも人間が原因であることから、

森で親を亡くした子供を、野生に戻さねばと、30年前に設立され、

運営資金は寄付で賄われているそうです。

はじめにまず、野生の動物なのになぜ”学校”が必要なのかと不思議に思いましたが、

オランウータンの子育ては長く、8歳くらいまで子供は母親から離れることなく過ごし、

すべて母親から生きるすべを学ぶから、ということらしいです。

 

この、生きるすべとは。

  • 自分で食べ物や飲み物を手に入れることができること。
  • 道具を使うことができること。
  • 木の上で寝床を作ることができること。
  • 仲間との付き合い方を学ぶこと。
  • 危険から身を守ることができること。

 

・・・やはり、人間にとても近いと思いませんか?(笑)

教えてもらわねばできないことがたくさんありますね。

 

特に、2~3才の幼児期に教わる、”食べ物を手に入れること”は、

オランウータンの母親が自分が食べているところを見せたり、

一緒に食べ物を取ったりしていれば、果物だけではなくで、蟻も食べ物なのだとか、

高いところの木の実は不安定な位置にあって、取るのが大変だとか、

自分の経験として身につきますが、ペットのように与えられてばかりいては、

食べ方も取り方もわからないまま育ち、生きていけなくなってしまうそうです。

 

この点は人間も全く同じだなと、自分を振り返り痛感しました。

普段の生活の中で、食事を与えるだけではなくて、調理することを一緒に体験したり、

たとえば水道はどうやって家までやってくるのか、火はどのように扱うものなのかなど、

見せていかなければ、やらせてみなければ、考えさせていかなければ、

大人になったときに、いきなり一人でできるものではないということではないでしょうか。

 

それにしても、人間が蟻を食べるところを見せることはなかなかできないですものね、

オランウータンの先生は、本当に大変だと思います。

 

また、5~8才(人間では中学から高校生くらい)に身につけたい

”危険から身を守ること”は、まず蛇(オランウータンは毒蛇でかなり死んでしまうそう)を

先生が大げさに怖がる演技を見せて、覚えさせるそうです。

親の行動や考え方が、一番の教材ということですね。

 

番組を観て私は、子供が小学校一年生になった時の、子供の担任の先生の言葉を思い出しました。

「学校の掃除に使いますので、雑巾を2枚持たせてください。

最近は100円ショップでも雑巾は買えますが、できたらお子さんに縫わせてください。

上手くなくていいんです。時間もかかり親御さんは大変かもしれない。

でも『雑巾を縫う』という貴重な体験をさせてあげてください。

100円で台無しにしないでください。」

 

人間もオランウータンも、生きるすべは”暮らしの中にある”ということを

自分の家を造る時に、意識することが大切なのだと思います。

家づくりは暮らしづくりです。

 

例えば、住宅の設備を選ぶときに、ついつい便利ならばほしいなぁとか、

あったらかっこいいなぁなどど考えて、とかく数が増えてしまいがちですが、

簡単、便利、おしゃれ、だけではなくて、経験をするさせるという視点から

引き算で考えてみても良いかもしれません。面倒を買うイメージです。

実はシンプルなものはメンテナンスも楽だったりします。

 

家を建てる時には、様々なことを決めなくてはいけませんが、

その時に自身の生活や思考を問われるかのような、悩ましい時間がやってきます(笑)

自分軸が大切ですね。

あなたは家を建てるとき、何を必要としますか?

 

※「家のコトは生きるコト」とは、生活哲学家である 故 辰巳渚 が主宰する「家事塾」の理念です。

筆者は家事塾での学びをもとに記事を書いています。

 

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