皆さんこんにちは。
台風シーズンを迎え、現場を持つ身としてはヤキモキする日が続いております。
さて、深大寺の家ですが外壁仕上工事に入りました。そこで本日は【呼吸する壁】についてお話致します。
当社ではダイアトーマスと言う珪藻土の建材を内部壁・天井標準仕様としております。
参考ホームページ:http://everwall.co.jp/
臭いの吸着分解・湿度の調整をしてくれる優れた建材です。
珪藻土はコースターや足拭きマット、米びつの湿気取り等としても様々な場所で販売されていますので、性能をご存知の方も多いのでは?
当社では浴室以外のすべての壁・天井をダイアトーマスにて仕上げております。もちろん収納の中もです。
完成見学会の際にお越し頂いたほとんどのお客様が新築特有の臭いがしないので驚かれています。
ただし、当社では仕上を珪藻土にしたから【呼吸する壁】と言っているわけではありません。
珪藻土の壁材にしたからと言ってすべての湿気を吸収できるわけではありません。
例えば冬であれば、吸収しきれなかった湿気は暖かい内部から寒い外部に逃げようとします。
その際にうまく湿気を排出するルートを作らないと【内部結露】と言う恐ろしい現象を作ることになります。
(詳しくはインターネットで『内部結露』と検索してください)
そこで当社では逃げた湿気をスムーズに外部に排出する【通気工法】という方法を採用しております。具体的に見てみましょう。
建物を簡素化し、断面にて見た絵となります。
このブログでも何度か登場しているイラストですが、ざっくりいうとこんな感じです。
なお、当社では通気層に出る前にある建材にも透湿作用の高い建材を採用しております。
残念ながら街中の現場を見ていると、通気層に出る前にある建材に透湿作用の低い建材を使っている業者も多々見受けられます。
それでは通気層を設けても結露対策と言う意味ではあまり意味がありません。
また話が逸れてしまいました。話を戻しましょう。
室内から逃げた湿気は通気層を通して屋外に排出されます。深大寺の家は現在外壁を仕上を行っているところですので、他の現場写真と合わせてみていきます。
まずは入り口となる部分。建物基礎付近に設けられているこの隙間から新鮮な空気が送り込まれます。
壁の中はどうなっているかと言うと
イメージとしてはベニアが外壁だと思ってください。写真のように外壁の裏には常に通気層があるので下から入った空気が上に抜けていきます。
(なお、塗り壁の際はこのベニアはありません。あくまでイメージ用です)
上昇した空気は屋根の下にいずれ到達します。
屋根の下はこんな感じ。白矢印が通気層を通った空気のイメージ。
一見行き止まりのように見えますが、赤線のところにちゃんと隙間があるのがわかりますか?
ここから屋根の天井内部に入ります。天井を貼る前はどうだったかと言うと
こんな感じ。赤線が先ほどの天井部分のイメージです。
赤矢印の部分からさらに上部に向かいます。
アクエアシルバーと書かれた部材の裏が先ほどの通気スペースとなります。
断熱材はこのアクエアシルバーに吹付けるため、屋根の内部に外部の空気を入れてもまったく問題はありません。
屋根の内部を通り、建物の一番てっぺんの部分に向かいます。
ここが空気の出口です。ここから屋外に排出されます。
建物の低い所から空気を取り入れ、一番高い所から排出することが煙突効果も得られ、最も効率のいい方法と考えられます。
もちろんこの出口にもしっかりとした防水対策が施されています。
当社では内部仕上げだけでなく、外部も含めた建物全体をトータルに考え【呼吸する壁】を提案しています。
見えないところだからこそこだわりたい!重要なことです。ちなみに当社では【呼吸する壁】は全棟標準採用ですよ。